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『魂のアソコ』を本格的に映画化しなくてはいけないという使命感を感じるようになっていた。
原作者の山田花子さんと舞台版主演女優・早川サブリナさんはもうこの世にいない。
まずは山田さんの原作の世界を具現化出来る女優を探す事だった。
原作のルリ子にそっくりである事。
それには病的に痩せていなくてはならない。
友達や路上を歩いてる人、漫画家、ありとあらゆる痩せた女性に声をかけた。
何人か決まりかけたが所詮は素人。やる気がない人ばっかだった。
どんどん月日は過ぎていった。
あたしが『魂のアソコ』を映画化したいという噂が広まり、ある日映画館から電話がかかってきた。
「魂のアソコ映画にするんですね?だったらウチで上映します!」
撮ってもいないのに上映依頼が来た。こんな事は前代未聞だろう。
「それで主演は緒川たまきがいいと思うんです。中央線の女子のファッションリーダーだと思うし」
「はあ、その出演料は誰が払うんですか?」
「.........。」
緒川たまきさん綺麗だとは思うけど、山田花子の世界とは違うなあと思った。
そうこうしてる内に8年も過ぎてしまった。
ある劇団の女優が山田さん原作にそっくりだった!
この子で行こう!
だが山田さんの原作を知らなかった。
しかも「あまり嬉しくない...」と言われた。
こりゃ、駄目だわ。やっぱ別の人が見つかるまで拘ろう!と決心した。
そんな時、友人が「鬼畜映画祭をやらない?」と言ってきた。
カレーを食べながらピエロ・パオロ・パゾリーニの遺作でスカトロ映画の金字塔『ソドムの市』やら
ジョン・ウォーターズの犬の糞を食う『ピンク・フラミンゴ』やらをビデオで見るというオエーな企画だった。
カレーはうまかったし、敬遠してた『ソドムの市』も面白かった。
で、夜遅くなりそろそろ帰ろうかと思った時にドアが開くと、そこにフラフラの痩せた女性が現れた。
目も虚ろでヤバイ感じだ。顔色も悪い。
来てすぐに倒れて寝てしまった。
聞けば拒食症で鬱病らしい。
その姿を見て、体に電流が走った!
「山田花子が再誕した!ルリ子が現れた」と叫んだ。
寝てる彼女に
「すみません。山田花子さん原作の映画に出演していただけませんか?」
と尋ねた。
彼女は
「私でいいんですか?山田花子さんのファンです。やります」
と即決して下さった。
前衛画家の立島夕子だった!
つづく。
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