これまでを振り返って 14
    2009.10. 2 [ Fri ] 10:39

◎@btfとshop btfでコミュニケーションはさらにオープンに

 その頃になると、オフィス中にインテリアや小物、子どもの頃の記憶を呼び起こすために買い集めたオモチャなど、自分自身で探して揃えてきたものの量が多くなり、収容しきれなくなってきました。かといって、それらを単純に捨ててしまうのは忍びない。そんな状況から、使い道を失っていた勝どきの一室で販売してみようというアイデアに至りました。自分が良いと思っている物を、同じように良いと感じてくれる人と出会えて、その人はどういう点を良いと思っているのか聞けたら...。そんな考えからでした。従来はオフィスに来る人とのコミュニケーションだけでしたが、一般の人にも拡げてみたら、もっと自分の情報をアップデートできるはずと考えたのです。そうして2008年に「shop btf」をオープンさせました。

 ここはショップという形態をとっていますが、新富オフィスに自分の好きな物を並べてお客さんとコミュニケーションをしていることと、考え方は何ら変わっていません。同じような状況を作って、それをショップという形態にすることで、オープンに出来るようになったという違いだと考えています。ここに並ぶ商品はホームページ上でも買い物ができますが、実際に来てもらってコミュニケーションできることのほうを重要視しています。

 さらにその延長で、2009年には勝どきの倉庫ビルの一室をさらに借りて「@btf」というスペースも作りました。ここでは普段仕事で会わない人や、アーティスト・クリエイターの作品に触れられる場であり、そういう方々とコミュニケーションできる大切なマーケティングの場でもあります。

 目の前にあるモノを通して、物事の善し悪しや方向性をディスカッションできることは何より伝達スピードが速く、実際に見るだけでなく、触れることでリアリティ、具体性は深まります。クリエイティブにとっては、それがとても大切だと思うのです。相手と共通認識をはかるためには、実際に目の前に存在する物の波及力は大きいと思っています。

 デザインとは、いろいろな考え方の組み合わせで、表現は全方向にあります。そこからコミュニケーションの表現を定めていく作業は、漠然としているし、相当大変な作業です。それでも、それをカタチにするのがデザイナーであり、ディレクターです。良いと思っていること、考え方を突き詰めることは大切で、今後「@btf」では、自分が良いと思うことを、調べて研究して発表する場としてもオープンに使用できればと思っています。

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クリエティブディレクター/アートディレクター

青木 克憲

65年東京生まれ。サン・アドを経て、99年バタフライ・ストローク株式會社設立。広告のみならず、グラフィック、映像など活動範囲は広く多岐にわたる。企画立案から表現まで幅広くこなせるディレクターとして活躍中。落書きふうの線描や写真、CGを自在に使い分け、鮮度と喚起力に富むビジュアル表現が評判で、多数の企業をクライアントにもつ。